2008年 %M月
動物のろっ骨が!
今日はフキノトウを採りに山に出かけました。
いつもの道を通ると、驚いたことに動物の骨と皮が転がっていました。
内蔵や肉は全て食べられた後のようで、ろっ骨があらわになり、皮がはがれています。鹿のようです。何かに襲われたのでしょうか。不思議な事に血は見当たりませんが、なんとも無残な姿です。
思わず手を合わせて通り過ぎました。が、これ以上山に入ると自分も同じような運命に会うかも知れないと思い、急ぎ足で家を目指しました。といっても家の屋根はそこに見えています。家まで五分とかかりません。車のクラクションや女性の笑い声もときおり聞こえます。
なんとも不思議な気持ちです。ライオンやチータがガゼルを襲っているシーンなどをよくテレビで見ます。暖かいココアなどを手に持ち、わ〜かわいそうと目をそらしたりしていました。自分とは無縁だし・・・。
仏陀がこの世の中で最も美しい動物と言った鹿の、可愛い目を思い出しました。私が毎朝散歩するこの静かな山道で、どんな壮絶なせめぎ合いがあったのでしょうか。生きる事は他の命をいただく事であり、料理はその延長上にあります。そして私共はそれを生業としています。
決して自分とは無縁ではありません。スーパーに並んでいる美しく包装された食材をみると、その前の段階にある様々なドラマは切り捨てられ、物としての食材だけが存在していると思います。
私はもう一度「食べる」という事の尊さを考えるべきだと思い、又この気持ちを忘れたくないので、カメラを手に再び山に向かいました。なんともいえない恐怖を感じ、何度も周りや後ろを確認しながら、シャッターをきりました。
翌朝同じ道を通ると、すっかり何もなくなっていました。びっくりしたと同時に、なるほど、これでいいんだなと感心しました。いわゆる食物連鎖はごみも出ないし、非常に合理的です。必要以上に作らない、食べない、を決心した次第です。
投稿者 : hyoue | 14:03