2008年4月30日
燗酒
私どもがお客様に燗酒でおすすめするお酒は、灘の白鷹です。
なぜ、京都で灘の酒を?と疑問に思われる方も多いと思います。
伏見のお酒も「冷でよし燗でよし」の美味しいお酒ばかりですが、
軟水で仕込まれた伏見のお酒は、どちらかといえば
柔らかい味わいのお酒が多いように思います。
それに対して、灘の酒は、天与の名水と言われる
宮水を使って仕込まれた味わいのしっかりした男酒です。
京料理には、京都の酒をぬる燗で味わうのが
一番おいしいと思います。
しかし、弊店の場合は大女将の炊いた山菜などが
自慢の品でございますので、山菜の軽やかな苦みに似合い、
夏でも意外と冷える川床の夜、ゆらゆら揺れる提灯の下で
やや熱めの燗酒もお楽しみいただきたい思いました。
そこで、燗酒をご希望のお客様には、
しっかりした男酒をお召し上がりいただきたいと思い、
いろいろ試してたどり着いたのが白鷹です。
後で調べて知りましたが、「白鷹」は戦前から超一流主義を貫き、
戦後に日本酒がいくらでも売れる時代、灘や伏見の大手が
桶買い(よそのところからお酒を買って、混ぜて出荷する)をして
その規模を拡大させていた頃にも、信用が第一として、
一切余所様からお酒を買わなかったとのこと。
また、最高の酒米といわれる山田錦の原種が栽培された時に、
当時としてはめずらしく奨励金を出してその栽培を奨励したとのこと。
そうした会社の誇りある歴史を知りますと、
ますますお勧めしたくなりました。
白鷹の燗。是非一度おためしください。
投稿者 hyoue
2008年4月24日
蟻のお仕事
本日ははこべを見つけました。
白くて愛らしい、誰もが知っている花です。
最近は色々な花に出会うことが多く、春を感じさせられます。
そんな中、蟻はもう仕事を一生懸命こなしているみたいですね。
見つけたはこべを覗いてみると、せかせかと忙しなく蜜をとる蟻を見つけました。
私もうかうかしてられませんね。蟻に負けずに頑張って働きます!
投稿者 hyoue
2008年4月22日
前日に引き続き
なんと今日はいかりそうを見つけました。
昨日の山芍薬に次いで、貴船ではほとんど見られなくなった植物なんですよ。
名前とは裏腹にとても美しくはんなりとした花を咲かせ、とても心を落ち着かせてくれる植物です。
このような花がだんだんとその姿を消していくのはとても悲しいことですが、同時に私たち人間がこういった植物を絶滅の淵に追いやっているからこそ私たちが守っていかねば、とも思わせられます。
美しい景色を幾世に渡り保護していきたいものですね。
投稿者 hyoue
2008年4月21日
涼み酒 その1
いろいろ及ばないことがありながらも、
川床を楽しんでいただきたいと
精一杯の料理をお出ししておりますが、
料理をお出しする以上、一緒に楽しんでいただく
お酒のことも試行錯誤しておりました。
伏見には、京料理を引き立てる美味しいお酒があります。
月桂冠、黄桜、桃の滴…
どのお酒を選んでもお楽しみいただける銘酒ばかりです。。
ただ、貴船は山奥にあり、摘みたての山菜の軽やかな苦み、
そして鮎のほろ苦さなどを楽しんでいただきたいと思い、
コースを構成しております。
そうした条件のもと、川床で、楽しんでいただきたい
涼み酒として、いろいろ試飲してたどり着いたのが
「招徳」さんの純米吟醸、「花」になります。
味わいが柔らかいお酒ですと、たしかに美味しいのですが、
苦みのある料理と合わせると、お酒の味の方が軽くなりすぎるようで、
私どもの目指したい料理、酒の双方が互いに
引き立てるという関係ではなくなるような気がいたしました。
「花」には、香りの華やかさはありませんが、
純米ならではコクが豊かで、
苦みしっかり受け止めてくれます。
お酒だけで楽しんでいただくと、
味わいが豊かですが、軽やかな苦みと合わせると、
お酒の味が適度に軽くなり、また違う表情を見せて
くれます。
ーー貴船の山の精気の中で、涼み酒―ー
つかの間の贅沢を楽しんでいただけるよう努めたい
と思います。
投稿者 hyoue
2008年4月21日
山芍薬
この葉を見てあっと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうです、山芍薬の葉です。
今日の貴船ではもう見かけることが極度に少なくなった大変貴重な植物なんですよ。
5月には白い丸みを帯びた壺のような花をかかげ、それはそれはとても綺麗です。
貴船にはまだまだ絶滅寸前の植物がたくさん生息しています。
美しい日本の風景、貴船の風景を守るためにもポイ捨てなどは控えていただけると幸いです。
投稿者 hyoue
2008年4月21日
涼み酒について
はるか昔、まだ冷蔵庫などが普及していなかった頃、
井戸水で冷やした果物が美味しかったと言われます。
私はそうした時代のことは良く存じませんが、
実家の母からは、子供の頃に食べた、夏場に井戸水で冷やした
スイカの美味しかった話などをよくきかされました。
ふと思いますと、夏場に飲む山の精気を集めた水、
貴船の水も、さわやかで美味しいのですが、
それを冷蔵庫で冷やすと、味が単調になってしまうような気がいたします。
それは、日本酒でも同じかと思い試してみました。
確かに、よく冷えて喉越しがよく、より飲みやすくはなりますが、
米から生まれた本来の豊かな味わいが
かなり損なわれているような気がいたしました。
そこで、兵衛では、日本酒の冷酒を「涼み酒」として、
貴船の川で冷やして味わっていただこうと考えました。
天然のクーラーのもと、冷えてはいるが、
冷えすぎていない温度、昔ながらの味わいを
楽しんでいただこうと思います。
時期により、水温により、微妙に日本酒の温度は異なります。
もうすこし冷えていた方が美味しいと思われるお客様も多いと思います。
でも、貴船でしか味わえない「涼しさ」を、
お酒でも楽しんでいただきたい…
そうした思いから、川床ならではの「涼み酒」
を提案させていただきます。
投稿者 hyoue
2008年4月15日
のびる
野蒜(のびる)が食べ頃となりました。
球根の部分を生のまま、お味噌でいただきます。天ぷらにしてもおいしいんですよ。
茎や葉の部分もお葱やニラのような食べ方でいただくことができます。
余すところがなく、すみずみまでとてもおいしくいただけるのでゴミも出ずに地球にも優しいですね。
6月頃に白い花をつけますが、ツボミが咲かずにそのままムカゴになってしまうこともあるそうです。
投稿者 hyoue
2008年4月11日
蓬団子
昨日より蓬団子の販売を行っております。その日に作ったものを販売させていただいております。
本日は、蓬団子の作り方を紹介させていただきたいと思います。
〜蓬団子のできるまで〜
環境のよい場所で蓬を取ることが一番大事です。大女将は、早朝から貴船よりさらに山奧に行きました。
1.取ってきた蓬を掃除し、太い茎も取り除きます。地味な根気の要る作業です。
もっとも山椒の掃除よりは数段楽ですね。(写真一枚目)
2.大鍋にたっぷりの水と炭酸を少々加えて茹でます。
3.さっと茹でたら冷水に取り、水気を十分取ります。
あんなにたくさん取ったのに、これだけになってしまいました。(写真二枚目)
4.米粉を蒸します。
5.蒸しあがった熱々の米粉と蓬を混ぜて杵でつきます。
(熱いのと、杵が重いのとで大変。石臼と杵で搗くことで、蓬の歯ざわりと香りが消えず、風味豊かにおいしく仕上がります)(写真三枚目)
6.自家製のあんを包んで、きな粉をふればできあがり。(下図)
小豆も国産を使っておりますので、とても安心できる美味しい自家製蓬団子です。女将の自信作ですので是非一度食べにきてくださいね。
投稿者 hyoue