2008年 %M月
涼み酒 その1
いろいろ及ばないことがありながらも、
川床を楽しんでいただきたいと
精一杯の料理をお出ししておりますが、
料理をお出しする以上、一緒に楽しんでいただく
お酒のことも試行錯誤しておりました。
伏見には、京料理を引き立てる美味しいお酒があります。
月桂冠、黄桜、桃の滴…
どのお酒を選んでもお楽しみいただける銘酒ばかりです。。
ただ、貴船は山奥にあり、摘みたての山菜の軽やかな苦み、
そして鮎のほろ苦さなどを楽しんでいただきたいと思い、
コースを構成しております。
そうした条件のもと、川床で、楽しんでいただきたい
涼み酒として、いろいろ試飲してたどり着いたのが
「招徳」さんの純米吟醸、「花」になります。
味わいが柔らかいお酒ですと、たしかに美味しいのですが、
苦みのある料理と合わせると、お酒の味の方が軽くなりすぎるようで、
私どもの目指したい料理、酒の双方が互いに
引き立てるという関係ではなくなるような気がいたしました。
「花」には、香りの華やかさはありませんが、
純米ならではコクが豊かで、
苦みしっかり受け止めてくれます。
お酒だけで楽しんでいただくと、
味わいが豊かですが、軽やかな苦みと合わせると、
お酒の味が適度に軽くなり、また違う表情を見せて
くれます。
ーー貴船の山の精気の中で、涼み酒―ー
つかの間の贅沢を楽しんでいただけるよう努めたい
と思います。
投稿者 : hyoue | 23:18