2008年 %M月
燗酒
私どもがお客様に燗酒でおすすめするお酒は、灘の白鷹です。
なぜ、京都で灘の酒を?と疑問に思われる方も多いと思います。
伏見のお酒も「冷でよし燗でよし」の美味しいお酒ばかりですが、
軟水で仕込まれた伏見のお酒は、どちらかといえば
柔らかい味わいのお酒が多いように思います。
それに対して、灘の酒は、天与の名水と言われる
宮水を使って仕込まれた味わいのしっかりした男酒です。
京料理には、京都の酒をぬる燗で味わうのが
一番おいしいと思います。
しかし、弊店の場合は大女将の炊いた山菜などが
自慢の品でございますので、山菜の軽やかな苦みに似合い、
夏でも意外と冷える川床の夜、ゆらゆら揺れる提灯の下で
やや熱めの燗酒もお楽しみいただきたい思いました。
そこで、燗酒をご希望のお客様には、
しっかりした男酒をお召し上がりいただきたいと思い、
いろいろ試してたどり着いたのが白鷹です。
後で調べて知りましたが、「白鷹」は戦前から超一流主義を貫き、
戦後に日本酒がいくらでも売れる時代、灘や伏見の大手が
桶買い(よそのところからお酒を買って、混ぜて出荷する)をして
その規模を拡大させていた頃にも、信用が第一として、
一切余所様からお酒を買わなかったとのこと。
また、最高の酒米といわれる山田錦の原種が栽培された時に、
当時としてはめずらしく奨励金を出してその栽培を奨励したとのこと。
そうした会社の誇りある歴史を知りますと、
ますますお勧めしたくなりました。
白鷹の燗。是非一度おためしください。
投稿者 : hyoue | 01:21